情炎の花〜その瞳に囚われて〜
私は、小野寺 凪(おのでらなぎ)23歳。

今朝みた夢に出てきた祖母に育てられた。
私の両親は、幼い頃に私を捨ててどこかに消えてしまったらしい。

祖母は、ナイトクラブを経営していた。
いつも生まれてこなきゃよかったと口癖のように言われて育った。

それでも義務教育の間は学校には通えたし、ご飯もちゃんと食べさせてはくれた。

そして物心がつく頃からバレエだけ習わされていた。

まぁ、今思ったら自分の店でポールダンサーとして働かせる為の基礎作りだったのだろう。

ランドセルは店の客の子供が使っていたお下がりで、しかも黒。
服も、いつも貰い物で買い物に連れて行ってもらった記憶はない。

そんなこんなでもちろん進学なんてさせてもらえるはずもなく、中学を卒業と同時に私はポールダンサーとして店に立つようになった。

私にはこれしかないから。


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