情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜玄side〜

俺は、関東を統括する最大級の極道である
黒澤組 若頭 黒澤 玄(くろさわげん)。
27歳になった。

都内の中心部にナイトクラブの新店舗オープンに伴い、オーナーとして一度顔を出す事になった。

ここら辺一帯はうちの息がかかっている。
他の店も周りながら合間に顔を出す。

車から降りるたび周りにいた人々がこちらを向き怯えた顔をして息を飲み、道が開く。
そして女達は悲鳴に似た声をあげて騒ぎ出す。

ッチ。
うるせぇ。
ギャーギャー耳障りでしかねぇ。

どいつもこいつも怯えた顔しやがって。
苛つく。


そして新店舗の店に入ればちょうどポールダンスのショーが始まるタイミングだった。

暗転してステージにスポットライトが当たったと思えば、まるでモデルの様なこれまで見た事もないとびきりの美女がシンプルな衣装を身に纏い現れた。

一瞬で目を奪われる。

一体どこの誰だ。

どこから来た。

ドクンドクンと鼓動が速くなっているのを感じる。

なんだこの感覚は。




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