情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そしてやっと仕事が片付いた。
タバコを手に取りふぅーと息をはく。

「若。店、行きますか?」

は? 

「いや。いい」

この時間じゃ着いた頃にはショーも終わってるだろ。

「承知」

そして俺の住むマンションへと向かう。
雨が降っている。

もうすぐ店の前を通る。
偶然にも帰り道に店がある。

そして店の前を通ったその時、路地に人影が見えた。

「止めろ」

運転手が路肩に車を付けた。
俺はそのまま飛び出した。

「若!」

路地に入れば…やっぱり。


彼女だ。凪だ。


その時、男に肩を掴まれているのが見えた。

俺は気づけば走り出していて男の首を締め上げていた。

触んじゃねぇ。

このまま息の根を止めてやろうと思ったその時、彼女が息を飲んだのがわかった。

パッと首から手を離した。
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