情炎の花〜その瞳に囚われて〜
店に近づかなくなって一ヶ月。

部屋で一人、ソファに座りウィスキーを流し込む。

凪…

名前の通り静かな女。
ステージの上の彼女とは違った。

どっちが本当の姿なのだろうか。

深く息を吸って大きくタバコの煙をはいた。

あんなに必死に立ち去ったのに全くもって忘れる事ができない。

忘れるどころかキスをしたせいで余計にあの日の事を思い出してしまう。

クソ。
苛つく。

また変な奴に待ち伏せされてたりしないよな?

はぁ。ダメだ。
気になって仕方がない。

何でこんなに…

俺は携帯を手に取り唯一の親友である彪に電話をした。

『どしたー』

「彪。寝てたか?」

『いや? なんかあった?』

「いや…ちょっとお前に頼みがある」


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