情炎の花〜その瞳に囚われて〜
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17歳になったある日、祖母は肺炎のため急死してしまった。

もちろん最期を看取る事もなかった。
そして手続きなどを行う際に初めて知る。

え…?
嘘でしょ?

祖母とは血の繋がらない他人だったという事に。

私は祖母の娘の再婚相手、つまり父の連子だったらしい。
私の父は前妻との間に私を作り、前妻と離婚。
その後祖母の娘と再婚したのち、私を置いて消息を絶った。

そして祖母の娘も、自分を捨てた男の子供で血の繋がらない私の事なんてさらさら育てる気はなかったようで、新しい男を作って祖母に私を預けたまま出て行った。

そんな残された私を祖母は文句を言いながらも追い出さずに育ててくれたようだ。

遺産などの手続きも結局のところ私にはどうする事も出来ず弁護士が勝手にいろいろしてくれた。

祖母の娘が店はどうにかする事にしたらしい。
そして正式に私は祖母が住んでいたアパートからも追い出されることに。

そして家を出て行く前に私名義の通帳を見つけた。

私は、店で働いていても現金でお小遣い程度のお金しかもらってなかったため携帯はもちろん、貯金も何もなかった。
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