情炎の花〜その瞳に囚われて〜
翌朝、目覚めて鏡を見れば玄が描いた絵みたいに顔面が崩壊していた。

思わず笑ってしまう。

親父は昨晩、俺を殴るだけ殴ってスッキリしたのかどこかに行ってしまった。
あの感じだと2.3日は帰って来ないだろう。
そして学校にも欠席の連絡が親父から行ってるはずだ。

こんな顔じゃ、行けないからな。

そして俺の読み通りそのまま休んでも学校からは連絡がなかった。

3日目。
背中が痛い。
焼きは痛えのよ。
薬もなんとか菜箸を使って塗ってるけど、痛えわ。
頭も痛え。これ熱あんな。
顔はだいぶマシになった。
でも目と口のアザがまだ治ってないな。

口の中も切れてて食えねぇし。
腹減った。

家の電話が鳴る。

「はい。水野です」

「お前、今日も休みだよな。どんな感じだ?」

親父からだ。

「明日も休んだ方がよさそう」

「わかった。連絡しとく。お前今日夕方からどっか行ってろ。明日の昼まで帰ってくんな。金、引き出しにあっからそれでなんか食っとけ」

「わかった」
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