情炎の花〜その瞳に囚われて〜
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どれどれ。行ってみっか。
玄が俺に何か頼んでくるなんてよっぽどの事なんだろうしな。

そして店に向かう。
時刻は24時。
ステージが暗転しスポットライトが当たった。

俺は息を飲んだ。
あまりの迫力ある美人に。
なんだこれ。
なるほどな。

スポーティでシンプルな衣装を着たNAGIというダンサーは、パフォーマンスも別格だった。

でもどこかあの時の子に似てる?
いや、あの子はもっと静かそうな子だった。
内気で笑わない。そんな子。

今目の前でパフォーマンスしている子は、開放的で自由で、口に時折り笑みを浮かべている。
それは楽しそうに。
でもやっぱり似てる?

そんな事を思いながら釘付けになっていればあっという間にショーが終わってしまった。
迷わず盛大な拍手を送る。
すげぇ。

すると一瞬目が合った気がした。

彼女はそのまま袖に優雅に立ち去って行った。
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