情炎の花〜その瞳に囚われて〜
そんな事を考えていても毎日ショーはあるわけで、最高のパフォーマンスをしなければならない。

自分を奮い立たせる。

そして気持ちをなんとか切り替え、今日も無我夢中で披露する。

自然と客席に目が行く。

するといつも彼が座っている場所に、なんとあの時のカラフルなお兄さんがいた。

え⁈
まさかだった。

こんな偶然ある⁈

そしてお礼をしっかり言えなかったし、なんとか捕まえられないかとショーが終わってすぐに客席を見れば、もうあのお兄さんはいなかった。

帰った⁈
だとしてもまだ近くにいるはず。

慌てて衣装のまま裏口へと出た。

するとなんと目の前にあのお兄さんが携帯を操作して私を見て固まっている。

私は慌てて先日の事を話すも通じていない。
このタトゥーだらけのお兄さんを間違えるはずがない。

そして先日の猫の話をすればやっと思い出してくれたようだ。

良かった。

君、げんの? 
ん? 私がなんだって?
ちょっと謎な事を言われたが何でもないと言われたので気にしない事にした。

そして立ち話もどうだって話しになり、一度着替えてカフェに向かった。
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