情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「もしもし」

『おせぇ』

ははは。玄くんはご機嫌斜めだ。

「わり。見てきたよ」

『どうだった?』

「上手だった」

『そうじゃなくて』

え? ああ。

「元気だったよ」

これで合ってっか?

『…そうか』

んだよ。ホッとした声出しやがってよ。

「そんなに気になってんなら、自分で見ればいいじゃねぇかよ」

『…いや。いいんだ』

もしかして…

「彼女、凪ちゃん。玄の正体知らないのか?」

『ああ。声も聞いた事ない』

は?

「話した事ないの?」

『ねーよ』

ど、どゆことそれ⁈
俺ガッツリ接触しちゃってるんだが?
これ言った方がいいよな?

「あのさ、俺さ、前に事故りそうなったって話ししたの覚えてる?」

『ああ』

「あれ、凪ちゃんだったわ」

『あ?』

こっわ。これめっちゃキレてるやつ。

『彪。お前今から家に来い』

ですよねー。

「へーい」

< 70 / 259 >

この作品をシェア

pagetop