情炎の花〜その瞳に囚われて〜
玄は感情をあまり表に出さない。
というか感情の起伏がほぼない。
だからここまで出るという事は、相当の事だということだ。

「なぁ。お前もちゃんと話せ」

「……わかんねぇんだよ。苛つく」

苛つくって…
お前いつもじゃねぇかよ。
とは言えない。

「凪ちゃんとは、なにか…?」

「なぁ。お前、凪ちゃん凪ちゃんてよぉ。苛つくんだよ」

ギロっと睨まれる。
はいー?
なんだこの身勝手な苛つきボーイは。
おいおい。
若頭さんよ。
いつもの冷徹非道な君はどこに行ったんだい?

「んじゃ、なんて呼べばいいんだよ!」

ブチ切れんぞこっちも!

だんまりかい。
ほら。
何も考えてなかったやつじゃねぇかよ。

「凪ちゃんでいいな?」

「ッチ」

ッチじゃねぇよ。まったく。

「んで? なんかあったわけ?」
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