情炎の花〜その瞳に囚われて〜



凪と最後に会ったあの日のキスを思い出し、胸が千切れるほど痛んだ。

あの時目の前で男の首を締め上げた俺を見てどう思ったか。
怖かったよなきっと。

凪があの時、息を飲んだのを見なかったら俺はあのままあの男を締め殺していたかもしれない。

凪に触れるなんて許せねぇ。
そう思った。

凪はなんであの時、一度離れた俺にまたキスをしたんだ。
なんであの時、俺を振り払わなかった。

どうか俺のことは、忘れてくれ。
探さないでくれ。

じゃないと俺はお前の手を引いてしまう。
こっちの世界へと。

会いたい。
凪…

矛盾した気持ちにまた深いため息をついた。
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