情炎の花〜その瞳に囚われて〜
〜彪side〜

あれから凪ちゃんとは玄に言われた通り様子を見るため、たまにショーを見に行ってそのままカフェに寄ったりして、話をするようになった。

俺は凪ちゃんの友達第一号らしい。
凪ちゃんはあまり笑わない。
それでも良く見ればわずかに表情が変わってるのがわかる。
なんかそのへん玄みたいなんだよな。

そして今日もショーの帰りにカフェに寄った。

「彪くんは好きな人いますか?」

「は?」

唐突に質問される。

「え? 彪くんは好きな人いますか?」

もう一度聞かれる。
好きな人って…
俺は…
言えないよ。

俺は玄にたぶん友人以上の感情を抱いている。

誰にも言ったことはない。
態度に出したこともない。

女だって抱く。
そう、俺は女を全然抱ける。

だから玄とどうこうしたいわけではない。

でも、独占欲みたいなものはある。
誰のものにもなって欲しくない。

玄は俺のだ。

自分でもわかってる。
わがままなのは。
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