情炎の花〜その瞳に囚われて〜
玄は本気なんだ。
本気で凪ちゃんに惚れてる。
自分の危険をかえりみないくらいに。

そして凪ちゃんも…
表情の乏しい凪ちゃんが玄の話を始めた途端、人が変わったみたいに…

凪ちゃんも本気で玄に惚れてるんだ。
キスをした日以降、やっぱりパタリと来なくなって「寂しい」と言った凪ちゃんは泣きそうな顔をしていた。

でも玄には「絶対言うな」と言われてる。

「そうなんだ。会いたいの?」

「…会いたいです。顔を見るだけでもいい。声なんて聞かせてくれなくてもいい。もう一度だけでも…会いたい…」

凪ちゃん…
ポロポロと泣き出す凪ちゃんに胸が締め付けられる。

凪ちゃんは俺にとっても大事な友達なのには変わらない。

こんなに想いあってるのに…

二人とも本当に辛そうだ。

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