情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「玄…凪ちゃん。お前の事好きなんだとよ」

玄は大きく目を開けた。

「嘘じゃない。もう、いいだろ。玄」

玄はまた下を向いて頭を両手で抱えた。

「俺のせいだぞ…」

「違う! それこそ違うだろ!」

「凪は…凪はなんて?」

「キスをした彼に会いたいって泣いてた。それ、お前の事だろ?」

「クソっ」

「俺が凪ちゃんの涙拭いたんだぞ! 違うだろ! 慰めんのはお前だろ⁈」

玄は強く拳を握る。

「いい加減、意地はんな。ダセェ」

「んだと? お前だってメソメソ泣いてんじゃねぇかよ」

「俺はいいんだよ」

「なんだよそれ」

玄は力なく笑った。

「凪ちゃん。いい子だから」

「うるせぇ」

「だってお前、話した事ねぇだろ」

「…うるせぇ」

ははは。
これでいいんだ。
二人は一緒になるべきだ。
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