情炎の花〜その瞳に囚われて〜
目覚め
〜凪side〜

「凪! 凪! いつまで寝てるんだい! さっさと起きるんだよ! この役立たず!」

祖母が怒鳴り散らしている。

「あんた、こっちにのこのこ来る気かい⁈」

え?

「ダンスはもう辞めちまうのかい? まだまだ半端だって言ってんだよ!」

半端って…

「お前。拍手もらったのかい? あの人に」

あの人…?

「そんな半端もんが、こっちに来るなんて、許さないよ!」

祖母はだいぶご立腹だ。

「あ、お金。ありがとう。おかげで生き延びられたよ」

「何言ってんだか。あたしゃそんなの知らないよ」

嘘ばっかり。
ちゃんと私の名義で通帳作っててくれたじゃん。
あのお金があったからなんとかできた。

「いいから、さっさと起きな!」


< 94 / 259 >

この作品をシェア

pagetop