情炎の花〜その瞳に囚われて〜
「ブッはははは!」

すると横から彪くんの笑い声がして顔を向けた。

「凪ちゃん。おはよう」

「え? 彪くん? お、おはようございます」

「あれ? 俺の前だとこんな感じ?」

彪くんは謎な事を言っている。

「え?」

「玄にははっきり怒ったりするんだね」

え…
あ、私…

「あ、あの、ごめんなさい。偉そうに」

なんか気が動転して…
ズバズバといろいろ言ってしまった気がする。

ん? 彪くんと玄さんは知り合いなの?

「いや、いい。普通にしてくれて」

玄さんが答えた。

ん?

さっき夢じゃないって言ったよね?
いつから夢じゃなかった⁈
私、好きとか言ったよね?

ガバっと顔をあげる。

「なんだよ今度は。忙しいやつだな」

「あ、あの! ど、どこから夢じゃなかった…ですか?」

「もう敬語も使わなくていい。俺にも彪にも」

彪くんを見ればニコニコしながらうんうんと頷いている。

知り合い…なんだこの二人。

「わ、わかった…」

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