【ピュアBL超短編】来年も慧くんと――。
幼なじみの慧くんと毎年、和服姿で初詣に行っている。 慧くんは高校一年生で僕より二歳年下なのに、とてもしっかりしている男の子。
慧くんが迎えに来てくれて、家を出る。
今年は朝から天気が良く雪もやんでいて、心地よかった。
『ずっと慧くんと一緒にいられますように』と願う。慧くんは何を願ったのかな?って気になって、質問したことがあるけれど「秘密」って言われたから、それからも気になっているけれど聞けてはいない。
「優くん、きなこ餅食べてきた?」
お参りを終え、近くにあったストーブで温まっている時、慧くんの手が僕の左耳の後ろ辺りの髪に触れた。僕はドキっとする。
「優くんの髪についてるきなこ餅、なかなかとれねえ」
「ありがとう、あとでお湯で柔らかくしてとるから大丈夫だよ」
優くんの手元が見えなくて想像だけど、多分、今、爪でカリカリとかして髪の毛についた餅を一生懸命にとってくれている。
「だいたい、とれたかな?」と、慧くんは僕の髪の毛からとれた餅を見せてくれた。
「ありがとう、慧くん。ていうか、なんでお餅、髪の毛についたんだろう」
「また来年、優くんの髪の毛にお餅ついてたら、俺がまたとってあげる」
「……来年も一緒に、ここに来れるかな?」
僕は大学生になるし、慧くんだって彼女が出来たりして、彼女と行って……もう一緒に行けなくなるかもしれないって考えていたら心がしゅんとなってきた。
「行けるよ!」
自信満々に言い切った慧くんを見つめた。
「……だって来年も優くんと一緒に、初詣来れますようにって、願ったから」
慧くんは照れているような笑っているような、くしゃくしゃな表情をしながら僕を見つめてきた。僕は慧くんの気持ちを知れて、嬉しくて、微笑んだ。
慧くんは一瞬思い切り視線をそらす。
そして「まだお餅ついてる」と、耳を赤く染めながら再び髪に触れてきた。
「慧くん、大きくなったね? いつ僕の身長追い抜いたんだろ」
「去年の初詣の時ぐらいかな?」
「そうなんだ、よくタイミングとか分かるね」
「……だってずっと優くんのこと見てるから」
意味深な言葉。
触れられてドキドキは鳴り止まないけれど、なんだか居心地がいい。
――来年も髪の毛にお餅つけてこようかな。
慧くんが迎えに来てくれて、家を出る。
今年は朝から天気が良く雪もやんでいて、心地よかった。
『ずっと慧くんと一緒にいられますように』と願う。慧くんは何を願ったのかな?って気になって、質問したことがあるけれど「秘密」って言われたから、それからも気になっているけれど聞けてはいない。
「優くん、きなこ餅食べてきた?」
お参りを終え、近くにあったストーブで温まっている時、慧くんの手が僕の左耳の後ろ辺りの髪に触れた。僕はドキっとする。
「優くんの髪についてるきなこ餅、なかなかとれねえ」
「ありがとう、あとでお湯で柔らかくしてとるから大丈夫だよ」
優くんの手元が見えなくて想像だけど、多分、今、爪でカリカリとかして髪の毛についた餅を一生懸命にとってくれている。
「だいたい、とれたかな?」と、慧くんは僕の髪の毛からとれた餅を見せてくれた。
「ありがとう、慧くん。ていうか、なんでお餅、髪の毛についたんだろう」
「また来年、優くんの髪の毛にお餅ついてたら、俺がまたとってあげる」
「……来年も一緒に、ここに来れるかな?」
僕は大学生になるし、慧くんだって彼女が出来たりして、彼女と行って……もう一緒に行けなくなるかもしれないって考えていたら心がしゅんとなってきた。
「行けるよ!」
自信満々に言い切った慧くんを見つめた。
「……だって来年も優くんと一緒に、初詣来れますようにって、願ったから」
慧くんは照れているような笑っているような、くしゃくしゃな表情をしながら僕を見つめてきた。僕は慧くんの気持ちを知れて、嬉しくて、微笑んだ。
慧くんは一瞬思い切り視線をそらす。
そして「まだお餅ついてる」と、耳を赤く染めながら再び髪に触れてきた。
「慧くん、大きくなったね? いつ僕の身長追い抜いたんだろ」
「去年の初詣の時ぐらいかな?」
「そうなんだ、よくタイミングとか分かるね」
「……だってずっと優くんのこと見てるから」
意味深な言葉。
触れられてドキドキは鳴り止まないけれど、なんだか居心地がいい。
――来年も髪の毛にお餅つけてこようかな。