心から願っています

【依織 Side】


制服に着替えたけど、シャツじゃなくて、Tシャツを着たまま。

体育祭用に作ったクラスTシャツ。 校庭は、写真撮影会場みたいになっている。

飾りはそのままにしてあるけど、係が片付けをしていっている。

私は、部活仲間といる。もちろん、スマホを片手に。

友秋先輩は、校内で何かしているようだった。

みんな、体育祭Tシャツのままだから、校庭がカラフル。 最高の体育祭だったし、これからの高校生活にもっと期待できた。


「ねぇ、依織、友秋先輩いつ来るの?」

陸上部は、顧問の先生が生徒を下の名前で読んでいるからか、

先輩も後輩も下の名前で呼び合っている。


中学のときは異性の先輩は基本、苗字呼びだったけど、先輩の苗字がなっかなか覚えられなくて、勝手に下の名前で呼んでいた。

別に、先輩も気にしている感じなかったし。


集まったときに、友秋先輩と約束があるってことを伝えたら、

「うえー、なにそれ。めっちゃ青春じゃん。マジ告られるんじゃない?」

と、1番テンションが常に高い美生那(ミイナ)に言われた。


「まだかかるかもしれないから、帰ってもいいよ」

「は? まだ帰んないよ。約束あるんでしょ?」

「あ、うん」

「それ、ちゃんと話してもらうから」

少し言い方が強いけど、いつものこと。 言ってることは普通に優しい。

嬉しくなって、少しニヤけていると、

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