心から願っています
俺の思考が一瞬止まった。 ごめんなさい…?

何に対して、、

「ちょっと、違うでしょ! 短すぎ」

周香が依織の背中を軽く叩いて言った。

何が何だかよくわからない。 全部整理してほしい。 話してほしい。

「さっきは、急に泣いたり、逃げたり、わけわからないことばかりして、ごめんない」

なんだ、良かった。 でも、まだわからない。 ちゃんと聞きたい。だから、もう一度言う。

「依織」

「はいっ!」

ちゃんと言ってくれそう。 しっかり目を見て言ってくれる依織の元気な返事に口元が緩む。

「もっかい言う。 俺と付き合ってください」

依織は下を見て、それから顔を上げて話し始めた。


「先輩は、私の大の憧れです」

やっぱりそうか。前にも言われた通り。 先輩と後輩っていうだけ。

「中学で陸上って愉しいって思わせてくれて。この高校にしたのも先輩と、もっと陸上がしたいって思ったからです。」

変な期待を招くようなことを言わないでほしい。 思わず俺は、依織から少し目をそらした。

「先輩が、、、想って、くれてるなんて想像すらしないことで。ビックリしちゃって」

結論が早くほしい。俺のメンタルがもたない。

「私、先輩は憧れだって言ったけど、それだけじゃないんです。でも、どうせって思って、それだけだって思い込んでました。」

え、、ん? ハテナが増えていく。 俺はもう一度しっかり依織を見た。

「だから、嬉しすぎて泣いちゃったんです。 私も先輩のこと、ずっと好きでし、、あ、好きです。私で良ければ彼女にしてください」

俺は、目を見張った。依織が見たことのないくらい嬉しそうに笑っている。

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