心から願っています
周りから煽るような声が聞こえるけど、頭には全く入ってこない。

依織しか見えなくなった。 笑ってる。 俺が、好きだと思った依織。

「おい、友秋、なんか言えよ」

誰かの声で現実に引き戻された。 依織は顔を覆って俯いてる。

「あ、依織?」

とりあえず、名前を呼んだ。 頭がうまく働かない。

依織は頬に手を当てながら、顔を上げた。 結構、赤い。

あ、そうか。俺、依織に告られたのか。

「先輩? ふっふふ、ハハッハハ」

自覚した途端、顔が熱くなった。絶対に赤くなってる。そして、笑われてる。

でも、依織も赤い。 それがおかしくなって、つられて俺も笑う。

「はぁー、依織!」

「はい、?」

笑い収まって、また呼んだ。

「これからも、よろしく」

これからは彼氏として とは恥ずかしくて言えないけど、
 
と思ったら、

「そこは『彼氏として』だろ?」

竜の声がした。めっちゃニヤニヤして、こっちを見てる。

賛同する声が上がる。

「ほら、言ってやれよ」

こいつら、からかってやがる。

でも、なんだかそれほど嫌じゃない。

「えー、いやー」

それでも、恥ずかしすぎる。 そんなに慣れてないって。

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