心から願っています
「友秋先輩!」

依織に呼ばれた。依織は周香の目を合わせ、笑ってから、そのままの顔で、

「これからは、"彼女"として、お願いします」

「キャー!」と言う依織も含めた女子の声と、「ワァー」と言う男子の盛り上がりが聞こえる。

俺は顔だけじゃなくて、もう全身が熱い。

竜が俺の肩に手を回した。

「おい、先に言われてんじゃんかよー」
「先輩、超顔赤いですよ?」

男子たちがからかってくる。

俺は、恥ずかしいのと嬉しいのと、からかわれて悔しいのと、でも楽しいのと、色々で

「あー、やべー、あー」

としか、言葉がでない。

「お前、1回失敗したの、ちょーダサかったわー」

確かにー、と言われたけど、もうそれどころじゃない。

「あれ、反論がない」 
 「頭の中、依織でいっぱい?」

その通りなのですが…

「まぁしょうがねーだろ、"初めて"だもんなー」

まぁ、告ったのは初めて

「あぁ」
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