心から願っています
【依織 Side】
「じゅうがーー」
わけわからなくなって、周香に飛びつく。
「どうしたの? なんで、泣いて、る、の?」
先輩に告白されて、真っ白になって、逃げてきちゃった。 周香まで困らせてる。
周香は、私を落ち着かせようと優しく背中を叩いてくれる。 深呼吸を何度も繰り返し、どうにか喋れる状態まで、自分を落ち着かせる。
「どうしよ、先輩に何にも言えなくて、困らせて、こっちに逃げてきちゃって、頭おかしくなって、先輩困ってて、何も喋ってなくて、自分でも変だってわかってるけど、出来なくて」
「わかったよ、わかった」
どこまで言っていいのか、この際全て話してしまってもいいのだろうか。
「ねぇ、周香、私、先輩のこと――」
好きって言ったけど、多分聞こえなかったと思う。
「うん、知ってる」
「え、」
「みんな知ってるよ」
「ぅえーー」
聞こえてた!? というか、みんな知ってる!?
自分自身でも、さっき認めたばかりのことなのに。
竜先輩が大きい声を出しながら、友秋先輩の方に向かっていってる。
まさか、連れて来るとかじゃないよね? いや、そうだと思うけど
友秋先輩は、ただ立ってた。竜先輩の声にこちら側に向いたけど、表情がイマイチ読み取れない。
こっちに来る。どうしよう、ほんとうにどうしよう。