心から願っています
【友秋 Side】
「続いては、2年生です。選手の紹介です。赤……」
2年のリレーが始める。俺は白の6走、アンカー。
さっき、1年で白が1位だったから、そのままの勢いで2年の白も1位をとれと興奮している。
依織の、赤は2位だった。だから、俺は1位をとらないと「お願い」を言わせてもらえない。
別にこんなことしなくたって、お願いすればいいだけの話なのに、きっかけがどうしても欲しかった。
それにしても、依織のスタートダッシュは結構良かった。流石に互角にはならないにしろ、男子と競ってたし。
さすが、俺が中学から教えてきただけある、とちょっと思ったけど、それを発揮できるのは依織だからな。
1走がそれぞれのレーンに立つ。ルールは1年と一緒。
でも、アンカーは200m。
「よーい、、パン」
スタートした。
依織との約束は、一応チーム全員が知っている。 誰、とは言ってないけど、
そして、俺が「お願い」したい内容も少しだけ、話した。
だから、せめて3位で俺に繋いでくれ。そしたら、いける。
今までの練習の最高順位は2位。
でもそれは、他のチームの速い奴が休んで、別のチームの接触事故が起きたときのもの。
だから、実力的には3位とか4位。
今、3走でチーム唯一の女子。 計画上は4位。 順位は…、
「え、、」
2位なんだけど。
いい、いける。このまま、