心から願っています
「はい!」

俺は、右手を後ろ上げて、バトンを奪い取る。

5人がここまで繋いできたバトン。その成果は俺に託されている。

前の3位の緑のゼッケンを睨む。

足を全力で前に運ぶ。

緑の前には紫、そして1位は青。

アンカーは1周、200m。

130mくらいからバテてくるけど、俺は中学から鍛えてきた体力があるし、

何より、俺は200mの選手だ。

緑のゼッケンが近づいてくる。 そして、隣に並ぶ。

すぐ、抜かす。 カーブに入ると不利になるから。

次は紫。距離はあるけど、相手はバテてる。 いける

俺は最後の力を振り絞るように、足を上げた。

距離が縮まる。 それと同時にゴールが近づいてくる。

あと少し、あと少しだから

「1位、青がゴールしました」

ゴールが目の前にある。

紫は俺の横。

体を前傾させ、ゴールする。俺はその勢いのまま、50mくらいか、走った。

足が止まらないまま、アナウンスに耳をすます。

「2位は、」

お願いだ、2位であってくれ。

「2位は紫、3位は白。そして、4位は、」

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