心から願っています
3位、聞いた瞬間、足の力が抜けた。その場に倒れる。

「大丈夫!?」「お疲れさん」「立てる?」

仲間が駆け寄ってきてくれて、次々に声をかけられた。 俺は、ありがとうと言いながら、手を借りて立ち上がる。

その場で、結果発表を聞いて、みんなで席に戻る。 それでも、3位だ。すごいことだ。

「みんなほんとごめん。私が…」
「いや、俺だって、焦って…」

みんなそれぞれ謝る。 別に誰が悪いってわけじゃない。

「おつかれー」「3位すげー」「イケメンすぎだろ」

クラスメイトたちが拍手とかで迎えてくれた。

3年生が入場の準備をしている。

「友秋」

呼ばれて振り返ると、高田がいた。

「『お願い』残念だったな。」

「まぁな」

「あー、友秋が抜かして1位取れば、超かっこよかったのになー」

「しょうがねぇじゃん」

「まぁ、依織のちゃんと聞いてあげな。」

同じ陸部だし、竜は知っている。 というか、知られたって感じだけど。
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