恋の花火はコーヒーのあとで
買い物袋をぶら下げてコンビニから仲良く出てきたのは香田課長と宮本さんだった。
二人は談笑しながら、駅の方に向かって歩いていく。
香田課長の見たことのない柔らかい笑顔に心臓がひんやりする。そして宮本さんが辺りを確認してから香田課長の腕に手を伸ばし、街灯に照らされた二つの陰がひとつになって寄りそって歩いていく。
(──っ)
私の両目からは勝手に涙が転がっていた。胸が痛い。苦しい。やりきれない。どうにかなりそうなほどに呼吸が苦しくなる。
「課長……あんな顔するんだ……」
(もっと宮本さんが嫌な子だったらよかったのに)
陰口を叩かれるような性格で見た目も可愛くなかったら良かったのに。そしたらいつか課長も愛想を尽かして二人は別れて、いつか自分にもチャンスが回ってきたかもしれないのに。
なんでなんで私じゃないの?
なんでなんで私じゃダメなんだろう。
二人は談笑しながら、駅の方に向かって歩いていく。
香田課長の見たことのない柔らかい笑顔に心臓がひんやりする。そして宮本さんが辺りを確認してから香田課長の腕に手を伸ばし、街灯に照らされた二つの陰がひとつになって寄りそって歩いていく。
(──っ)
私の両目からは勝手に涙が転がっていた。胸が痛い。苦しい。やりきれない。どうにかなりそうなほどに呼吸が苦しくなる。
「課長……あんな顔するんだ……」
(もっと宮本さんが嫌な子だったらよかったのに)
陰口を叩かれるような性格で見た目も可愛くなかったら良かったのに。そしたらいつか課長も愛想を尽かして二人は別れて、いつか自分にもチャンスが回ってきたかもしれないのに。
なんでなんで私じゃないの?
なんでなんで私じゃダメなんだろう。