恋の花火はコーヒーのあとで
たどり着いた公園は金曜の夜のせいなのか人影はない。
「こっち座って」
航平に言われるがままにスチールベンチに座った私の膝の上には、すぐにオムライス弁当がそっと置かれる。
「繭香の好きなオムライス」
お弁当はまだほんのり温かい。隣の航平は焼肉弁当だ。
「……なんで知ってるの?」
「繭香が言ったんじゃん、コンビニ弁当はオムライス一択だって。なんでオムライス一択なのか俺には全然理解できなくてさー、なんか記憶に残ってた」
そう私に返事をしながら航平は割り箸を割ると、大きな口で焼き肉弁当を食べ始める。
「冷めるよ。食べたら?」
「うん……」
正直、結婚報告だけでもお腹一杯なのにさっきのツーショットを見れば食欲なんて皆無だ。でも私の好きなものを覚えてくれていて、こうして一緒に居てくれる航平の優しさに気の置けない同期がいて良かったと心から思う。
「あ……おいしい」
「それは良かった。まぁ、いつもの本のお礼だな」
見れば航平はすでに食べ終わってゴミ箱に空のお弁当箱をポンと放りこんだ。
「こっち座って」
航平に言われるがままにスチールベンチに座った私の膝の上には、すぐにオムライス弁当がそっと置かれる。
「繭香の好きなオムライス」
お弁当はまだほんのり温かい。隣の航平は焼肉弁当だ。
「……なんで知ってるの?」
「繭香が言ったんじゃん、コンビニ弁当はオムライス一択だって。なんでオムライス一択なのか俺には全然理解できなくてさー、なんか記憶に残ってた」
そう私に返事をしながら航平は割り箸を割ると、大きな口で焼き肉弁当を食べ始める。
「冷めるよ。食べたら?」
「うん……」
正直、結婚報告だけでもお腹一杯なのにさっきのツーショットを見れば食欲なんて皆無だ。でも私の好きなものを覚えてくれていて、こうして一緒に居てくれる航平の優しさに気の置けない同期がいて良かったと心から思う。
「あ……おいしい」
「それは良かった。まぁ、いつもの本のお礼だな」
見れば航平はすでに食べ終わってゴミ箱に空のお弁当箱をポンと放りこんだ。