アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜


 一歩踏み出した足は、夜の学校に着地する。

 学校の中に入った瞬間。
 ひやりと体に冷たい風が通った気がした。


 毎日通っている学校のはずなのに。
 夜の学校は、暗くてしずかで。
 不気味な雰囲気が漂っていた。

「なんで、こんなこと……」

 星七くんは、無理やり学校の中に入ったことが気に食わないのだろうか。
 顔を歪ませる。


 わたしはハッとする。
 星七くんに、ちゃんと説明しないと……。

「ごめんね。実はね……」

 アリアさんから招待されたことをはなそうとした時だった。

 
 ――ギギ―ッ!ドン!

 大きな音にびくりと体が反応する。
 それは正面玄関のドアが勢いよく閉まった音。

 わたしと星七くんは顔を見合わせた。


< 10 / 113 >

この作品をシェア

pagetop