アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
ハア、ハア、
どうしよう……。
萌香ちゃんのことが、こわいよ。
心臓がドクンドクンと跳ね上がる。
全速力で走った。
そのはずなのに、すぐ背後に気配を感じる……。
ハァ、ハァ。
耳元に聞こえてくるのは、萌香ちゃんの息づかい。
「いたっ、」
近くに気配を感じると同時に、ぐいっと腕を強い力で後ろに引かれる。
「知らなかった。七緒ちゃんより、私の方が足早いんだ」
振り向くと、ニコッと笑っている萌香ちゃん。
全速力で走ったのに。
簡単に追いつかれてしまった。
掴まれた腕を振り払おうとしても、ぐっとつかまれた腕は離れそうにない。
「い、いたいよ!」
痛みだけが腕に広がっていく。
そのまま腕を引っ張られて、足も動いてしまう。
「や、やめて!萌香ちゃん!」
しばらく進むと、ぴたりと足が止まる。
「ねえ、ここから落ちたらさ、どうなると思う?」
横を向くと大きな窓。