アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
ここから落ちたらって……。
ま、まさか!
この窓からってこと?
萌香ちゃんが、ガラリと窓を開ける。
ひやりと、外から冷たい風が吹き込んだ。
ここは二階。窓から落ちたら……。
それは――。
「な、なに考えてんの? 窓から落ちたら、死んじゃうよ!」
「やめない! 私がとびきりのネタを書いてあげるから」
両肩をガシッと掴まれた。そのままぐっと押される。
わたしは慌てて窓のふちを両手でつかんだ。
だってこのままだと、窓の外に押し出されてしまう。
ぐっ。
どんどん力が加速する。
「任せてよ!『新聞部の部長。アリアさんのネタを追ったが、二階の窓から転落。きっとアリアさんの仕業だろう』ねえ、いいと思わない?きっと今までで一番の反響間違いなしだよ!」
そういって、目を輝かせる。
わたしを押す力は止まらない。
それどころか、どんどん押し出す力が強くなっている。
なんて力……!
力では勝てそうにない。