アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「なんだよ。外から開かないならわかるけど。中にいるのに開かないってどういうことだ⁉︎」
星七くんは、怒ったように声をあげた。
わたしたちは校舎の中にいる。
つまり、このドアの鍵は閉められていないの。
なのに開かないだなんて。
明らかにおかしいんだ……!
わたしたちは顔を見合わせる。
この現状が、普通ではない。ということはわかった。
「なあ、なんか寒くないか?」
星七くんは、自分の腕をさすりながら、震えているようにみえた。
確かに学校の中にはいってから、全身がぶるっと震えるように寒気を感じる。
なんだか気味のわるい感じ。
「うん……寒気がする」
「なんか普通じゃないし。とにかくここから出よう。他の出口を探そう」
そういって星七くんは歩き出す。
そのときだった……。
「クスクス。だめだよ。まだあそんでないもん」
笑い声が聞こえた。
思わず叫びそうになったけど、悲鳴を飲み込んだ。
「だ、誰っ!?」
思わず声が裏返ってしまう。
あたりをきょろきょろ見回すが誰もいない。
あれ、気のせい……?
ほっと胸をなでおろした。
だけど、また……。