アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜

「クスクス」

 同じ声で含み笑いが聞こえる。
 なんだかさっきより、声が近づいてきたような気がした。

 心臓がバクバクして、冷や汗がふきだしてきた。
 もう、やだ。怖いよ……。

 今すぐこの場所から逃げ出したかった。
 そんな半泣き状態のわたしの前に、すっと影が下りてくる。

「夜の学校にようこそ。今宵はたのしくあそびましょう」

 ぱちっとしたグレーの瞳と目があう。

「きゃあああ‼︎」

 思わず星七くんの腕にしがみつく。

 さっきまで、誰もいなかったはずなのに……。
 
 わたしよりも一回りほど体が小さい女の子が……いる。

 その子が誰なのか、わかってしまったかも。
 ウェーブがかったふわりとした銀色の髪の毛。
 真っ黒のワンピースを着ている。
 それは噂で聞いていたアリアさんの容姿と同じだったから。

 「クスクス…」

 いたずらっぽく笑う。
 わたしはぞっとして鳥肌が立ちはじめる。
 
 助けを求めるように、星七くんの腕を掴んでいる力がつよくなった。

「ヒッ!!」

 思わず小さい悲鳴をあげる、
 うそ、でしょ?
 わたしは視てしまった。

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