アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜


 アリアさんの足が地についていないことを。
 信じられないけど、身体が浮いてるんだ。


「嘘だろ……」

 同じタイミングで星七くんも気づいたみたい。
 青ざめて顔をしかめた。

 
「あ、あなたが……アリアさんなの?」

 震える手をぎゅっと握って、勇気をしぼりだす。

「クスクス……」

 答えの代わりにいたずらっぽく笑う。

 わたしたちは顔を見合わせてうなずいた。
 星七くんもきっと同じことを考えていると思う。
 

「まさか本当に実在するなんてな」
「わたしも……ただの噂だと思ってたよ」


 アリアさんに関する噂はたくさん聞いたことがある。
 だけど「実際にも見た」という現実的なうわさは聞いたことがなかった。
 
 だけど、不思議と確信を持てた。
 目の前にいる女の子は……。


「アリアさんだ…!」

 
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