アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「やだよ!そんなこと……」
言い返そうとする星七くんの腕を、ぎゅっと引いた。
「星七くん、今はアリアさんに従った方がいいんじゃないかな」
だって反論して、アリアさんを怒らせたら、この学校から出られないかもしれない。
そう考えたら、星七くんの腕を掴む手が震え出した。
「まあ、確かにそうだな……」
星七くんはうなづいた。
引き留めたのには、もうひとつ理由がある。
以心伝心ゲームは、答えを合わせるゲーム。
付き合っているわたしたちには、あっさりクリアできるんじゃないかな。
そう思ったんだ。
隣に視線を向けると。
安堵するわたしとは反対に、星七くんの表情は曇っているようにみえた。
どうしたんだろう。
わたしたちなら、絶対にクリアできるのに。
「もしも……正解できなかったら?」
不安そうに星七くんは、アリアさんに質問する。
「ここから出られないよ」
そしてにたりと笑う。
「永遠にね……」
アリアさんの不気味な表情に、全身にぞくっと寒気が走った。
安堵していたわたしは、すぐに後悔する。
そして、思いなおした。
簡単にクリアできる。
だなんて思ったのは間違いだった。
今からはじまるのは、友達同士でするような楽しい以心伝心ゲームなんかじゃない。
これからはじまるのは……。
おそろしい以心伝心ゲームだということを。