アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「やっと気づいたんだ!」
ああ。やっぱりそうか。
言葉を返しても二人の耳には届かない。
わたしだけ会話に参加できていない。
わかっていたんだけど。
わたしはずっとふたりの傍から離れることができなかった。
「わたし、死んじゃってたんだね」
ぽろぽろと涙がこぼれ落ちていく。
わたしの声が届いていない理由。
それは、わたしが二人に視えていないとしたら。
すべてつながるんだ。
しんみりとした空気の中、アリアさんはきょとんとした顔でいう。
「ねえ、早くしないと制限時間すぎちゃうよ?」
アリアさんの後ろを、ぷかぷかと浮いている砂時計。
残りの砂の量は少ない。
だいたい2~3分っていったところかな。
制限時間内につかまらなければ、優斗くんと梨々花ちゃんの勝ち。
つまり、この夜の学校から解放されるってこと。