アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
どうしたの!?
なにがあったの!?
わたしは、すくっと立ち上がると反射的に川に近づいた。
「……たっ!……すげで……」
梨々花ちゃん足を滑らせて溺れていた。
「梨々花ちゃん!」
わたしは慌てて川の中に飛び込んだ。
冷たい……!
バシャバシャと水しぶきを受けながら、必死に水の中を進んだ。
梨々花ちゃんを助けないと!
頭の中にはそのことしかなかった。
やっとのことで梨々花ちゃんの元に辿り着く。
梨々花ちゃんは溺れたせいで、混乱しているようだった。
手足をバタバタさせて暴れるので、わたしまで溺れてしまいそうになる。
「梨々花ちゃん!わたしの体に捕まれば大丈夫だから!」
「落ち着けって! 梨々花!」
優斗くんもすぐ近くで声をあげる。
だけど混乱している梨々花ちゃんには届かない。
「助けてっ!!!」
叫ぶと同時にわたしの身体を引っ張る。
その拍子にわたしの足元がぐらついた。
……まずい!危ないっ!
瞬時にそう思ったけれど。
身体が川の流れにもってかれてしまう。
「た、たすけ……て!」
わたしは必死に叫んだ。
すぐ近くにいる優斗くんに、必死に手を伸ばす。
あともう少し。あと一センチ……!