アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「はあ、」
自然とため息がこぼれた。
なんだか朝起きてからずっと体が重いような気がするんだよね……。
寝違えちゃったのかな。って思ってたけど。
なんだか変な感じ。
昨日の釣りで動いたからかな。
だとすると、筋肉痛ってやつだね……!
ストレッチするように肩をぐるりと回した。
「ん? 陽菜どうかした?」
志音くんは心配そうな顔で覗き込む。
「なんか、肩が痛いんだよね。特になにもしてないのに、変なの…」
「釣りで大きく振りかぶったんじゃねーの?」
そう言って、志音くんは釣りをするときのポーズをとってみせた。
「……そうかも」
志音くんの言うとおりかもしれない。
釣り竿を川に投げたとき、腕と肩を使ったもん。
そうだよ。きっとそのせいだ。
問題が解決して、心のつかえがとれたような気がする。
痛みをほぐそうと、また腕をぐるぐると動かしてみる。
すると、少しだけ肩の痛さが軽くなったような気がした。
「なーんだ。ストレッチとかすれば治るかも!」
軽くなったことが嬉しくて、深く考えることをやめていた。
知らなかったんだ。この体の重みの本当の原因を――。