アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
学校の授業が終わるころには、どっと疲れていた。
体が全体的に、重いような気もする。
いつもより重い体を引きづって家に帰った。
お父さんは今日帰りが遅いって言ってたし。
まだお母さんも帰ってきていないようで、家の中には誰もいなかった。
すると、懐かしいものを発見する。
「あれ、なつかしいー。ましゅちゃんだ」
リビングテーブルに座っていた女の子の人形。
それは小さい頃によく遊んでいた人形だった。
世間でよくいわれているお世話人形で、くるっとした大きい目。少し笑っているような口元。
柔らかくウエーブがかったセミロングの髪。
その愛らしさから大人気で、シリーズ化されている人気のおもちゃだった。
「子供の頃、ましゅちゃんとおままごとしたなあ」
マシュマロみたいに、ふわふわ柔らかいほっぺをしてるので「ましゅちゃん」と名前をつけたんだっけ。
ましゅちゃんを抱きかかえると、昔の記憶が頭に思い浮かぶ。
引っ込み思案な性格だったわたしは、幼稚園で友達ができなかったんだ。
そんなわたしにお母さんが買ってくれたのが、ましゅちゃんだった。