アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「あの時の友達は、ましゅちゃんだけだったなあ」
小学生になってもうまく友達を作れなかったわたしは、放課後家に帰るとすぐにましゅちゃんにお話をしていた。
今日学校でこんなことがあったんだよ。
先生に注意されちゃった。
まるで友達に話すように、わたしは毎日ましゅちゃんに話かけていた。
「ただいまー」
ましゅちゃんと過ごした日々を懐かしんでいると、お母さんが仕事から帰ってきた。
「あら。その人形、懐かしいわね」
どうやらお母さんも覚えていたようで、すぐに気づく。
「うん。懐かしいよね。お母さんありがとう。出してくれたんでしょ?」
「え? お母さんじゃないわよ?」
不思議そうな顔をして首をかしげた。
え…!
てっきりお母さんがましゅちゃんをここに置いたと思っていた。
いったいどうなってるの!?
だって、絶対におかしいんだ。
わたしが大きくなるにつれて、ましゅちゃんと過ごす時間は減っていた。
そして小学校高学年になるころには、押し入れの中にしまっていたんだ。