アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
すると、ハッと目が覚める。
勢いよくがばっと起き上がった。
周りを確認すると、そこは見慣れた自分の部屋。
よかった。あの夢から覚めたんだ。
首元を触ると、じんわりと汗をかいていた。
「すごく怖かったなあ……」
夢から覚めた今でも、あの不気味な雰囲気や、どこからか聞こえた声を思い出せる。
わたしが夢を見るのは珍しいことだった。
それにこんなに現実的な夢をみたのは、はじめてだ。
まだ胸がどきどきと音を立てている。
自分の部屋の景色にほっとする。
部屋の中を見渡したとき……。
悲鳴が出そうになって飲み込んだ。
「ヒッ!!」
暗闇の中、ましゅちゃんが視界にうつったから。
……び、びっくりした。
月明かりの中でうっすらと見えたましゅちゃんに、どきっと心臓が跳ねた。
「ましゅちゃんは、あの夢に関係ない……よね?」
思わず聞いてしまった。
返答はあるはずもないのだけれど。
どくん、どくん。
しんと静まり返った部屋に、わたしの心臓の音だけが鳴り響いていた。