アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜



 学校を出たわたしは無我夢中で走った。
 ハア、ハア。

 なにも考えたくなくて、ひたすらに走った。
 全速力で走ったおかげで、あっという間に家に着いた。
 
 
「た、ただいま……」
「おかえりー。あら、顔色真っ青じゃない?」

 全速力で走ったせいだと思う。
 お母さんが心配そうに、わたしの顔を覗き込む。


「だ、大丈夫。ちょっと……走ってきたから。部屋で着替えてくるね」


 階段を上がり、二階の自分の部屋のドアを開ける。

 やっと安心できる。
 そう思ったのに――。
 

 ガタッ――!!
 わたしは尻もちをつく。

「な、な、なんでっ!?」

 思わず叫んだ。

 そんなことありえない。
 絶対にいるはずがないのに……!

 目があったんだ…。
 ましゅちゃんの薄いピンクの瞳と。


 信じられなかった。
 でも、学校のごみ箱に捨てたはずのましゅちゃんは……。
 確かに勉強机の上に座っていた。
 
 
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