アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「あ、あ……きゃーー‼」
ぎょろりとした目玉が、すぐ目の前に…!
慌てて這いつくばりながら、ピアノの下から飛び出した。
すぐ音楽室から逃げないと…!
しかしさっきまで近くにいた幽霊は、今度は出入り口のドアの前にいる。
それはまるで出口をふさいでいるかのように。
『キャハハ。かくれ、んぼ。タノシカタ』
にこりと笑った。
でも。
次の瞬間、がらりと表情を変える。
『……もうオシマイ』
ボソリとした声にぶわりと全身に鳥肌が立つ。
きっともうだめだ…!
逃げられない。そう悟った。
『トモ、ダチ、ナカ…ヨク』
ケタケタと笑いながら、幽霊は手を伸ばす。
30センチ……!
10センチ……!
もう……すぐ目の前。
逃げる道も気力もない。
もうだめだ。ぎゅっと目をつむる。
――ぐしゃり。
潰れた音が響きわたる。