アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
いっ、……たくない。
何かがつぶれる音が、確かにしたのに。
ちっとも痛みを感じない。
ゆっくり瞼を開けると、目を疑った。
「えっ、どうして……」
わたしの目の前には、ぐしゃりと潰されたましゅちゃんが倒れていたのだ。
思わず急いで抱きかかえた。
「ま、ましゅちゃん……!?」
すると、右腕がぽろりと取れてしまった。
お腹の部分も握りつぶされたようにへこんでいる。
目の前の出来事を信じたくなくて、わたしはふるふると顔を振る。
まさか、まさか!
ましゅちゃんは、わたしのために……。?
ましゅちゃんは、わたしの身代わりになってくれたのだ。
もしきてくれなければ、きっとわたしの体が潰されていた。
悔しさと悲しさで顔がゆがむ。
「なんで、どうして……。わたしを恨んでたんじゃないの?」
ぽろぽろと涙がでてくる。
するとその時。
「とも、だち…だから」
確かにましゅちゃんの体から聞こえた。
抱きかかえた距離でやっと聞こえるくらいの声。
だけど確かに聞こえたんだ。