アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜

「うん。ましゅちゃんは、はじめての友達だよ。ごめんね。ごめんね」

 そう。ましゅちゃんは幼い頃のわたしにとって、唯一の支えだった。
 それなのに、わたしはごみ箱に捨ててしまったなんて。

 

『トモ、ダチ、‼︎ トモ、ダチィィ!!」

 幽霊は狂ったように悲鳴をあげる。
 断末魔のように音楽室が揺れた。

 わたしはましゅちゃんをぎゅっと抱きしめる。
 

「あの川から連れてきちゃったならごめんなさい! でも、わたしはあなたと友達になれそうにないです!!」

 
 幽霊に言葉が通じるなんて保証もないけれど。

 わたしは、ハッキリと言い切った!

 
 わたしがはっきりと言いきった途端。
 幽霊は、ぱたりと動かなくなる。

 そして。
 ゆっくりと黒いモヤが体ごと空気に溶けていく。


 目の前で起きていることが一瞬の出来事で、思わず固まってしまった…。
 ハッと息をすることを思い出す。
 
 
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