アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
「ちょっと、まってよ」
星七くんの顔がひきつった。星七くんはアリアさんに招待されていることを知らない。
だからきっと学校の中に入ろうと、腕を引っ張られたことに驚いたんだと思う。
どうしよう。早く中に入らないと……。
迷っている時だった。
ゴーーン!ゴーーン!
今まで聞いたことのない低いチャイムの音が鳴る。
いつも聞いているチャイムとは違う音に、驚いて身体が固まる。
星七くんも驚いたようで、肩をびくっと揺らした。
星七くんが、奇妙な音に気を取られているときだった――。
わたしは彼の腕を渾身の力でぐいっと引っ張る。
星七くん、ごめんね。
そう心の中で謝りながら。
どうやら力が抜けていたようで、星七くんの体は引っ張られるまま、わたしと一緒に学校の中になだれこんだ。