アリアさんの幽閉教室〜5分間恐怖の世界〜
わたしは情報提供箱に入っていた紙を丸めてごみ箱に投げ捨てた。
ニセモノの情報なんていらない…!
それに、アリアさんが良い幽霊なんて新聞記事。
いったい誰が喜ぶのかな……。
アリアさんの記事を書くなら、身の毛がよだつくらい怖くてハラハラするような!
そんな記事の方が、絶対人気になるよね。
そんなことを考えていたら。
「アリアさんのこと記事にできたら、人気でそうだよね」
萌香ちゃんは、ぽつりとつぶやく。
まるでわたしの心を読んだかのようだった。
「萌香ちゃんってエスパー⁉」
わたしがずいッと体を乗り出すと、萌香ちゃんは苦笑いを浮かべる。
「そうだよっ!アリアさんのこと記事にしようよ」
「それは、前から議題に上がってるけどさ。『アリアさんの情報がつかめないから無理だ』って結論出たでしょ?」
萌香ちゃんは淡々という。
その通りなんだ。
アリアさんのことを記事にしたいという提案は、ずっとあるものだった。
だけどある情報としたら……。
銀色のウェーブがかった髪。女の子の容姿。
本当かウソかわからない、見た目の情報。
この噂も、真実はわからないんだよね。
アリアさんの噂はたくさんある。
だけどどれも情報が少なすぎて、記事にするにはむずかしかった。