傾国の貴妃
「ローラ様!」


晴れた午後。

一面に広がる白い雪が太陽の光を反射する。

そんな光景を暖かな室内から眺めていた私を、興奮気味に呼んだシンシアに驚いて振り向いた。


「どうし……!」


そこで言葉が止まる。

思わず息を呑んだ。

シンシアの腕の中で大事に抱き抱えられているものが、真っ先に目に入ってくる。

美しい白。

流れるような、その白。

目を見張る私に、シンシアは喜びが抑えきれないとでも言うように、頬を紅潮させていた。

私にニコリと微笑んで、その白を私へ恭しく差し出して言う。


「国王陛下からですわ、ローラ様」
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