傾国の貴妃
「素敵ですわ!きっとローラ様にお似合いになられます」


私がそのドレスを着ている姿を想像したのか、シンシアがうっとりとした表情を浮かべる。


「ああ!きっとローラ様はどの姫様方よりも御目立ちになられますわ」


「…そう、かしら…」


「ええ!しかも純白!今までローラ様を馬鹿にしていた者たちは、さぞや驚きになられるでしょうね」


興奮するシンシアとは対照的に、信じ難いそのドレスに困惑を隠しきれない私。

純白は特別。

許された者のみが、それを纏うを許される。

――それは、正妃の証。
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