冷徹王子の甘い笑顔
冷徹王子
私の通う学校には冷徹王子と呼ばれている人がいる。
感情を全く表にださない人で常に冷たい印象をもたれている人だけど、
学校一のイケメンと言われるほどの美形なのもあり、女子からの人気はかなり高かった。
そんな冷徹王子と同じクラスになり、二ヶ月が経とうとしていた。
今日の天気はあいにくの雨。
憂鬱な気持ちのまま自分のクラスである教室に入る。
「弥兎ー!」
教室に入ると名前を呼ばれ小柄な女子生徒が一人歩み寄ってきた。
「あ、咲羅!おはよ~」
友人である咲羅。
私より身長が低めで肩まである黒髪がとても綺麗でいつも触りたくなってしまう。
「おはよう!今日も雨だね~髪の毛がまとまらなくて朝から大変だった」
「わかる、私もまとめるの大変だった」
話しながら自分たちの席まで移動する。
咲羅とは通路を挟んだ隣の席でいつも時間があれば話している。
「昨日も一昨日も雨!
もうそろそろ太陽さんでてきてほしい・・・」
「私の弟も練習が出来ないって怒ってた」
「弥兎の弟くんってバスケ部だったっけ?
確かに雨だと外で練習できないもんね」
「そうそう、晴れている日は欠かさず公園で練習してるからね」
自分の弟ながらに努力する姿勢を尊敬している。
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