冷徹王子の甘い笑顔
「あ、あの!」

本日2度目。
お兄さんを呼び止めた。
1度目と違ったのは振り返ってくれたのだ。

「また明日、学校でね!皇坂くん!」

「っ!」

お兄さんこと皇坂くんは少し驚いた表情はしたものの、
小さく頷くと自分の荷物が置いてある場所へと歩いて行った。

私と皇坂くんを交互に見ていた燈真が

「え、お姉ちゃんとお兄さんって知り合いなの!?」

目を輝かせて私にくっついてきた。

「知り合いというかクラスメイト?
ほら、帰るよ~」

「えー!なにそれ!ちょっと詳しく!!」

「もーっそんなにくっつかれたら歩きにくいから~」

笑いながら燈真と一緒に歩き出す。

「お兄さんって学校ではどんな感じなの??
やっぱりあれだけ格好いいから女子からモテモテ??」

「それは今度自分で聞きなさい」

「えーなんでー」と頬を膨らます燈真。
それが面白くて笑いが止まらない。

公園から出てさっきまでいた場所を振り返ると
もう皇坂くんの姿はなかった。

「今日のご飯なにー?」

「今日は唐揚げだよ」

いつもの帰り道、いつもの会話。
明日はどんな日になるんだろう、そう思いながら燈真と家までの道のりをゆっくり歩いた。
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